落ち穂ひろいmini puerta
Puerta. = A tomar por saco.
スペインドラマCuéntame Cómo Pasóは2001年9月から続いている長寿番組です。私のスペイン語学習の一つの指針になっています。
ドラマの主人公los Alcántara 一家が織りなす物語からは様々なことを学ぶことができました。すでに第20シーズンまで終了しています。いつもでしたら第21シーズン(スペイン語では temporadaと言います)はこの秋に放送されるはずなのですが、コロナウィルスの影響で遅れることは必至ですね。
私にとってはスペイン語の宝庫ですが、いまだに意味不明の場面に出くわしたりします。それでも、時間の許す限りこのドラマを繰り返し視聴して面白い表現や気になった箇所は、出会った時が吉日と思ってメモを怠らないようにしています。
アメブロ(「”Cuéntame Cómo Pasó”でスペイン語」)では、このドラマで学んだ成句等を少しずつ整理しているのですが、本欄ではもう少し自由にスペイン語の面白さについて触れながらよしなしごとを記録したいと思います。
さて、7月10日の “Cuéntame cómo pasó” でスペイン語581 の引用に puerta という単語が出てきました。私が最も頼りにしている 『クラウン西和辞典』(三省堂) では最重要語として「門、ドア、門戸」などの語義が与えられています。なお、この辞書は約1,400語を最重要語としています。
そして、このpuerta が一語で「出て行け」という意味になることを教えてくれたのが次の場面です。
-¿Diez millones cada uno?
-¡No, hombre, no! ¡Veinte millones cada uno!
-Por favor, que eso va a ser mucho.
-¡Qué va a ser mucho, va a ser mucho! Que no, te lo digo yo, Paquita. Ese dinero lo dejas estar ahí, tranquilito, y en dos años se quintuplica el capital invertido.
-¿Sí?
-Sí.
-¿Y usted tío, usted va a poner veinte millones?
-Sí.
-¿Cómo?
-Con la bodega. Es exactamente lo que me ofreció Somoza por la bodega.
-Pero ¿usted quiere…?
-La familia que se forra unida, Paca, permanece unida. Y a tomar por saco. Me siento aliviado, la verdad.
-¿Sí?
-Sí, os lo agradezco muchísimo. Creo que he sacado a mi familia de un problema y les he aliviado.
-Ya se habían aliviado ellos suficientemente, Antonio, te habían dejado más solo que la una.
-Que no De Gaulle, que no. Que es su vida, De Gaulle. Que estábamos equivocados nosotros pretendiendo que lo hiciéramos todo juntos, De Gaulle, y no. Y lo intentaron, claro que sí, pero no les ha salido.
-Hombre, claro que lo intentaron, que son muy buenos chicos.
-Claro que son muy buena gente, pero, Paca, cuando algo no puede ser, no puede ser. O sea, que la bodega… ¿Cómo se dice ahora?
–Puerta.
-La bodega puerta. ¡A tomar por saco!
-Ponme más. Pues por las puertas.
-Un poco más.
-¿Quiere más?
-Sí. Venga, pues yo le pongo.
“Cuéntame Cómo Pasó” – Capítulo 320 “Agosto”
上の引用で家長のAntonio が A tomar por saco. 「糞くらえ!」と同義で使っているのがわかります。口の悪いAntonio の愛用表現とも言えます。因みに『クラウン西和辞典』ではsaco 「袋、かばん」 等の訳語が与えられた重要語(本辞典では約6,200語)の一つです。
行儀のよい三省堂の辞書ですので、この成句は掲載されていませんが、ドラマでは様々な語が自由に飛び出してきますので、全く理解のできない場面には事欠きません。それがいっそう、私にとっては魅力で繰り返し視聴しても飽きないドラマになっているのです。
但し、スペイン人旅行客の方からは「そんな言い方、今はしないよ」などと指摘されることも多々ありますので、私たちが実際に使っていいものなのかどうかは別にしてくださいね。私は少なくとも理解できるようになればいいなと思うようにしています。
今回はこの miniコーナー 初の投稿だったので、少し長くなってしまいました。私は言葉そのものが大好きなので、少々理屈っぽくなるきらいがあります。また、旅行会社ご担当者様からも「しゃべり過ぎ!」と注意されることもあるくらいなので、ほどほどにしなければなりません。そうは言っても旅行とスペイン語好きが高じてスペイン語ガイドを専業にしていますで大目に見てくださいね。
【関連記事】
“Cuéntame cómo pasó” でスペイン語270 ¡A tomar por saco! いい加減にしろ!、むかつく!