「聞いていないからわからない」?!

 先日、数年ぶりに小樽から新潟へのフェリーを利用する機会がありました。私用ではなく業務だったのですが、ゲストと同じ夕食会場に料理を持ち込み可となっているはずと尋ねたところ「聞いていないからわかりません」と即答でした。ネームプレートはマネージャー、どうでもいいことなので氏名は敢えて明記はしません。「聞いていないから」まではいいのですが、本来なら「確認します」が正しいのでは?
 コロナ過の影響でしょうか、受け入れ準備が不十分と感じさせられた一場面ですが、一週間の業務の中で同様のことが続いていたものですから、さすがに怒りが爆発です。私たちフリーのガイドを含めて旅行業関連の法人・個人は大打撃を受けているのですが、一進一退とはいえ回復の兆しも見え隠れしている状況でもあるのですから、もう少し「こころ」の準備だけでもしていただきたいものです。その点を含めて責任者と思しき方に訴えました。現地添乗員からは「細かすぎる」という指摘もありましたが、遠路はるばる来日してくださったゲストに対する「おもてなし」の姿勢が微塵も感じられないのですから義憤の持っていき場もなかったのかもしれません。
 翌朝の朝食会場では前夜の担当者と顔合わせをしたのですが、お互い知らん顔で済ませて席につくと、責任者?の方がわざわざ私のテーブルまで来てくださって行き違いがあってご迷惑をおかけしたという旨の言葉がけをしてくださいました。

 なんでもない一コマかもしれません。「細かすぎる」ことであるかもしれません。それでも、小さなことの積み重ねで一つのツアーができあがっているのですから、現場対応する立場にある者としては蔑ろにはできません。同時に、かくいう私自身についてもこの状況下で日本に来て下さるゲストに十二分なサービスの提供ができているかというと正直なところ自信がないというのも本音です。今回の出来事も他山の石にすべき啓示のようなものかもしれないと、一週間の旅程をおさらいしながら、駄文を弄しているのです。
 それにしてもこれだけブランクがあると必要な時に必要な情報を自分の頭から引き出すことが困難になっているということが実感できました。これは大いに反省すべき点です。経済的に余裕があれば、こんなときでもあるので自己のブラッシュアップに専念すべきなのでしょうが、じり貧状態でもあるためにバイトも欠かせないという厳しい現実もあります。出口のないトンネルはないのですから、もうしばらくは我慢強くいつでも現場に復帰できるように備えながら生活せよという天からの声だと思い直しているところです。

 つらつらくだらないことを書き並べましたが、苦しいときだからこそ、今の気持ちを整理することで、後日に備えたいと思います。以上です。

古代ハスが見事に咲いていました(北方文化博物館・新潟)

★写真はゲストが送ってくださったものです。この場をお借りしてお礼申し上げます。Thank you for sharing your photo, Meiyun san. このハスの花のようにどのような場所であろうと状況であろうと清らかな花を咲かせる存在でありたいものです。

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