落ち穂ひろいmini★ carroza

 年内のアサインも残すところ1本となり、久しぶりにのんびりと過ごすことができています。とは言っても今度の日曜日にはガイド試験(今は、全国通訳案内士試験と呼ばれています)がありますので、内心は穏やかではないのかもしれません。
 こんなときは、いつものように ”Cuéntame Cómo Pasó” が癒しの時間になっています。待望の第23シーズンが始まっているのですが、業務にかまけて視聴できないままだったものですから、この期間に可能な限り視ておくことにしました。
 視聴を始めると止まらなくなってしまうのですが、特別番組を含め同シーズン第7話までまとめて流したところです。これで第1話と第7話までのストーリーが繋がったのですが、このシリーズをご存じない方にはどうでもいいことですね。
 スペインの国民的ドラマと勝手に決め込んでいる私にとっては、これ以上の教材はないと思い、2001年9月の放送開始から視聴を続けてきました。スペイン語の勉強というよりはスペインを知るための媒体としてと言った方がいいかもしれません。ガイドを始めるまでスペイン語とは無関係な仕事をしていたのですから私のスペイン語レベルは多寡が知れています。それでも、新婚旅行でスペインを訪れた2000年以来、いつか絶対に再訪したい、できれば Santiago de Compostela と巡礼の道を少しでも歩いてみたいと思い続けている私にとってスペインは憧れの地です。

 と、いつものように寄り道をしていると本題に入れませんね。久しぶりに carroza という語を耳にして反応です。ガイドとしてはお祭りの「山車」の意味で口にする言葉になっている単語ですが、「老いぼれ、耄碌した人」という意味でも使われるスペイン語です。
 この単語については、テーマとして取り上げたことはなかったはずですが、触れたことはあります。 私のブログ “Cuéntame cómo pasó” でスペイン語496 「”keli” o “kely” アジト、家」(2020.04.16) で紹介した一場面の注記としてです。関係個所の一部を再掲させていただきます。

-Hola.
-Soy Nuka
-Soy el padre de Carlos. Encantado.
-Encantada.
-¿Vives aquí?
-No.
-No, tiene su propia “kely”. (RÍE)
-Su propia casa. Ya lo sé, hijo.
-Se cree que vivo en Marte o que soy un “carrozo”.
-(RÍE) Carroza.
-Peor me lo pones, carroza, hijo.
-Gracias por traerme.
– No te preocupes, me marcho y os dejo tranquilos. Un placer. Encantado, Nuka.

– Capítulo 281 “Memento Mori”

*”carroza”は男女同形で「《話》(考え方や趣味が)年よりじみた(人)、古くさい(人)」です。 “carrozo”と言ったAntonioに対してCarlosが “carroza”と訂正している場面も面白いです。

 このように、”Cuéntame cómo pasó” はスペイン語の歴史も教えてくれます。上記の場面設定は 1983年10月中旬のマドリード。この頃にこの単語が上のような意味で使われ出したということが想像できますね。それでは、当該場面をご紹介してお開きとさせていただきますね。

– Mira qué grande.
– Ay. Antonio, por Dios. Pero ¿dónde vas con eso?
– Es grande, ¿verdad? Dice el de la tienda que es el último grito.
– Es muy juvenil para ti.
– ¿Me estás llamando carroza?
– No.
– ¿Se ata arriba?
– No, es para apretarlo.
– ¿Por qué es tan largo?
– Eso, tú ya tienes tu edad.

– “Cuéntame cómo pasó” Temporada 23, Episodio 4 (8/11/2023)

* ser el último grito 「最新タイプ[型]である」

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