1文は15語まで

 年末に「一文30文字」をテーマにしたばかりですが、今回は「15語まで」です。
 年末年始に手にした新書の一冊が、ケリー伊藤さんの『プレイン・イングリッシュのすすめ』(講談社現代新書)です。発行が1994年11月20日ですから、かなり古い著作なのですが、英語習得のためのヒントが散りばめられている一冊なので、読書記録を兼ねてご紹介せていただきます。
 同書冒頭に、Jimmy Carterが、1978年3月23日に署名した大統領命令 (Executive Order) 12044 が紹介されています。先月、ある中央省庁関係の業務が半月ほどあり、そのために所謂 legalese (法律言葉)や officialese (官僚言葉) まがいの文章を目にする機会もあったばかりだったものですから、本書が私の目にとまったのかもしれません。

 さてさて、新年早々、横道に逸れてしまってはまずいので、「米国のプロのアナウンサーでも、ひと息で読める長さは15語までです。ですから皆さんの場合、1文12語、長くても15語で文を作るようにすることが大切です。」という同書20頁の記述を引かせて下さい。
 話はこれだけです。同書は示唆に富むティップス満載ですが、「話すスピードのひとつの目安」についても以下の通り特記させていただきます。私自身、自信がないためについつい早口になってしまう場面も少なくないので、自戒の言葉として、備忘録としての引用です。

 話すスピードのひとつの目安として、米国のブロードキャスターは、事件・事故などの普通のニュースの場合、1分間に150語で読みます。ちょっとした解説になると、1分間に130語までスピードを落とします。スポーツニュースは少し速めで、1分間に170語です。これがスピーチとなれば、もっとスピードを落として、1分間に100語ぐらいでよいのです。
 Clinton大統領の就任演説は、テレビでご覧になった方も多いと思いますが、だいたい1分間に100語ぐらいでした。
 英語が母国語でない日本人がプレゼンテーションやスピーチをする場合、ゆっくりゆっくり1分間に90~100語の間でよいのです。速く話すことより、1語1語をはっきりと明快に音を出すことのほうが大事です。Plain Englishでは、文章面だけでなく、音声面でも明快さが第一なのです。

― ケリー伊藤『プレイン・イングリッシュのすすめ』(講談社現代新書、1994年11月20日第1刷発行、19頁)

 ということで、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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