“Cuéntame cómo pasó” 

Temporada 22 放送開始! 私のスペイン語学習法

 スペインドラマ “Cuéntame cómo pasó” の第22シーズンが1月20日に始まりました。と言っても大方の方にはどうでもいいことですね。私にとってはスペイン語学習の指針になっているものですから、どうしても肩入れしたくなるのです。
 前シーズン(Temporada 21)は1992年が舞台、そうです、バルセロナオリンピックで盛り上がるはずの時代設定でした。それがコロナの影響でシナリオが大幅に変更(私にはそう思えます。このドラマの性質上当然の措置と言えます)されて主人公一家の家長 Antonio の死が先取りされました。1992年と2020年を行ったり来たりの場面展開でした。
 このドラマは、2001年9月の同時多発テロ事件直後に放送が始まったのですが、1960年生まれの Carlos の目を通して見たフランコ時代のスペインに生きる一家の生活が描かれます。それが20年も続くとは想像もできませんでしたが、第1章から惹きつけられて今日に至っています。
 最初はスカパー(ch332、TVEスペインチャンネル)で視聴していたのですが、途中でこのスペイン語放送のチャンネルがなくなってしまったためにしばらくは録画していた章を繰り返し視ていました。その後、正確な時期は覚えてないのですがストリーミングが始まりPCでの視聴、そして、いつの頃からか聴覚障碍者のための字幕が入りました。
 当初は意味不明の表現ばかりでしたが、繰り返し視ている内に少しずつ理解が深まりましたし、スペインの現代史だけでなくスペイン人のメンタリティーなどにも触れることができたと思っています。
 そういう意味では、私が子どもの頃に放送されていた「水戸黄門」、あるいは「肝っ玉かあさん」(ストーリーは全く覚えていません)につながるものがあるかもしれません。バラエティやスポーツ番組しか視てこなかった私の子ども達(母親の嗜好は影響大!ですね)に他人に対する思いやりや気くばりが欠けているのは、ひょっとしてこのようなドラマを通して日本人としての行動様式を身につけることができなかったからかなとも反省しています。

 ここ数年の儀式は、最初に一通りその章を視聴してから字幕を転写します。スペイン語学習としては邪道であることはわかりますが、2,3日かけて1時間ほどの各章のスクリプト(字幕)をWORDで入力します。この作業を通して私にとっての新出語句のチェックが可能になります。字幕の制約のためか、視聴者の便を考慮してか一部実際の発話と異なる字幕もありますが、学習教材のための字幕ではありませんので、これはこれで問題はありません。俗語や新語のようなものは字幕(言い換え表現)のお蔭で意味が理解できる場合もありますので、スペイン語学習者にとっては助けられることもありました。
 そして、各章ごとに気になる語句を拾ってそれを少しずつ整理してきたのが、私のアメブロ「“Cuéntame cómo pasó”でスペイン語」になります。
 まだまだ不明な点も数多くありますが、今やインターネット時代。その気になればネットで質問を投げかけることもできます。現代のスペイン人にも不可解な部分もあるようで、必ずしも回答をいただけるわけではないですが、彼らにさえ理解できないことを日本人である私が知るまでもないとも思いますので深追いはしません。ただ単純にこのドラマを愉しみながらスペイン語学習を少しずつ続けることができるという喜びのほうを大切にしたいですね。
 さて、外国語学習という観点では、この字幕転写は余計です。コミュニケーションツールとしての学習方法としては只管ドラマを繰り返し視聴する。1週間に1話のドラマですので、基本的には次の章が始まるまでは同じ章を繰り返し視聴します。一回目には理解できないことも二回目、三回目で理解できるようになることもありますし、現在のように各シーズンの放送が終了して次シーズンまでの間は前のシーズン(21シーズン 全388章分のストックがあります!)の各章を少しずつ視聴していると、当時は聞き取れなかった語句も理解できるようになっていますし、さらに面白い表現や気になる事項などにも焦点を当てることもできます。
 このドラマ(第1~第21シーズン)は、1968年のフランコ体制末期とも言える過渡期からヨーロッパの中のスペインへの変貌、セビリア万博とバルセロナオリンピックのあった1992年までの時代の流れをCarlos(8歳の少年期から32才の青年期)の目を通して目の当たりすることができるドラマ仕立てになっています。途中、マンネリ化した時期もありましたが、私にとっては常に新鮮な目でスペインの現代史を追体験できたように思えていますので、ただのドラマとは言いがたい存在でもあります。
 通訳ガイドになってスペインからのお客様と “Cuéntame cómo pasó” についてお話する機会もできましたが、特に若いお客様にとってはそれほどの存在ではないようで、「もう古い」と他のスペインドラマを教えてくれる方もいらっしゃいました。それでも私にとってはスペイン語の宝庫であり、彼らの行動様式を学ぶうえでもスペインを理解するためにもとても貴重な存在です。
 外国人が使ってはならない表現もたくさん耳にしますが、聞いて理解できればいいのであって、私自身が口にすることさえしなければそれでいいと思います。また、西和辞典には取り上げられ難い俗語あるいは口語表現については自分で整理しておくのも強ち無用でもないでしょうから、彼らの発想法を少しでも理解するという目的も兼ねてアメブロ「“Cuéntame cómo pasó”でスペイン語」でも紹介させていただいております。
 ということで、今シーズン最初の第389章で初めて耳にしたと思うのですが、Moncloa(スペインの首相官邸です)でのシーンから俗語表現を拾ってみます。私たちは決して口にすべきではないとは思いつつも、女性を対象にこのような句もありなのか!と驚いたので敢えてご紹介させていただきます。

-¿Qué cargo tiene ahora?
-Adjunta al director general.
-¿Eso qué es lo que es?
-Es lo que le salga a ella de su coño moreno.
-Para variar.

〔従来表記〕- Capítulo 389: Ojalá (20 ene 2022)
〔新表記〕T22-E1: Ojalá (20 ene 2022)

 同ドラマの時代設定はスペインイヤーとも言える1992年の翌年1993年です。ドラマの主人公 Alcántara 一家も Antonio の孫たちまでがストーリーの前面に出て来ましたね。今後の展開が楽しみです。お粗末さまでした。

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〔2022年2月6日 追記〕
 第22シーズン (Temporada 22) から章立ての表記法が変更になったようです。これまでは第1シーズンからの連番で章立てがなされていました。今シーズンの最初のエピソードも最初は Capítulo 389 となっていたのですが、その次の章は Episodio 2になっています。それに合わせるかのように Capítulo 389 は Episodio 1  に変更したようです。恐らく章立てに不都合が出てしまったための措置だと想像していますが、第20シーズンの最終章と次の第21章の最初の章数がダブっていたことも関係しているかもしれません。私のブログ・HPでは第21シーズンまでは従来の章立てを踏襲し、第22シーズンは新しい表記法に従います。つまり、Capítulo 389 ➡ T(emporada)22-E(pisodio) 1 に変更。なお、第21シーズンまでの標記については、読者の利便を考慮し極力新表記法を括弧書きで併記するように努めたいと思います。突然の章立て変更による煩雑さも否定できないのですが、ご了解ください。

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