落ち穂ひろいmini calvo
Vamos a jugar a verdad o reto.
今回のテーマは calvo です。
『クラウン西和辞典』には形容詞として「(頭などが)はげた、毛のない」、名詞として「《話》頭のはげた人」という語義が記載されています。
でも、次の場面ではちょっと異なる意味で使われています。
”Cuéntame Cómo Pasó”の主人公たち(Alcántara一家)の末子María はもうすぐ18才になろうとしています。舞台は1989年の夏でしょうか、あるパーティーでの出来事です。
¿Verdad o reto? 直訳すれば「真実、それとも挑戦?」になりますが、車座になって瓶を回してその口の前の参加者に「本当のことを言う?、それともどんなことでも(挑戦)する?」という場面を想像してみてください。米国の人気ドラマ “FRIENDS” (かなり古いですが、今でも人気があるようです)でも似たような場面のあったことを覚えていますが、英語の truth or dare? に相当するパーティー・ゲームのことです。
若者のお遊びの一つですが、当たった若者が Reto (挑戦)と答えたので参加者から ¡Queremos un calvo! という難題が突きつけられました。それでは、その場面です。
-Venga, vamos a poner las reglas. No hay preguntas prohibidas, no se puede pasar turno, no hay límites, ni excusas… no hay salida…
(TODOS) -Uuuuhhhhh…
-¡Empezamos!
-¡Eh!
-No, no…
-Aníbal…
-Tú, tú, tú…
-Vale, vale, Aníbal, Aníbal… ¿Qué?
-¿Verdad o reto?
-Reto.
-Muy bien campeón, empezamos fuerte. A ver, un reto para Aníbal.
-¡Queremos un calvo!
(COREAN) -¡Queremos un calvo! ¡Queremos un calvo! ¡Queremos un calvo!
-¿En serio?
-Sí… has escogido reto… (RÍEN) (CARRASPEA)
(TARAREA) -Cha ra ra ra rá…
(CANTURREAN) -Cha ra ra ra…
-Pau, pau, pau…
(ASUSTADA) -Tía, que he visto a alguien ahí.
-Oye, ¿te puedes relajar un poco?
-Va, sólo un poco.
-A la de tres todos: UNA, DOS y TRES (VOCEAN) (APLAUDEN)
–Buen culo chaval, buen culo.
-Lo verás pero no lo catarás, maricón Va, ahora me toca a mí.
-Ahh…María…
(COREAN) -María, María, María… María, María, María….
-Va, va, va… ¿verdad o reto?
-Verdad.
-Si eliges verdad no puedes mentir eh
-Ya, ya.
-¿Eres virgen?
-No.
– Mentira. Es mentira.
– Si es mentira.
-María no te tires el pegote.
-Qué buena amiga eres…
-Y tú no sé para que has venido.
-Pues he venido a divertirme, no a seguir el juego a estos capullos.
“Cuéntame cómo pasó” – Capítulo 349: “El año de la serpiente”
もう想像できたと思いますが、「禿げ頭」に違いありませんね。もう少し下の方にある「ちいさな頭」のことです。
こんな使い方は教室では習うことがないと思いますので、ご紹介しました。
※ 最初は別の部分だと確信していたのですが、上記引用箇所には buen culo が連発されていることから、FACEBOOK上にて質問してみたところ、二人のお客様(共にスペインの女性です)から同じような回答をいただきました。手元の隠語辞典の記述にも誤りがあるのだという一例になるのかなと思います。(2020年7月13日)
※ 2020年7月中は “Cuéntame cómo pasó” の主に第20シーズンの章を視聴していました。 calvo = culo が私の中で明らかになったのもこの月のことです。7月12日に calvo をテーマにした段階では、どこまで明解に書くべきか迷っていた部分もあって、いささか曖昧なままぼかしてしまっていたのですが、かえって誤解を生みかねないと反省をして標記のテーマを calvo = culo に変更すべきであることを明言させていただきますね。敢えて Vamos a jugar a verdad o reto. というテーマを採ったのは、可能な限り行儀のよいブログにすべきかなという思いもあったためですが、一般の西和辞典が躊躇するような内容こそ、私だけでなく真面目なスペイン語学習者には必要不可欠なことだと思い直すことにしました。今後、不適切な記述も出てくることも大いにありえますので、その際には私の意図を曲解せずに汲み取ってくださいね。
さて、culo と上のテーマの字面はそのままにしておきますが、お読みいただくときには calvo = culo に読み替えてください。実際、私自身は calvo = 局部と Espasa Calpe というスペインの岩波書店のような出版社で発行された diccionario de argot という俗語辞典から教えられていたのです。そんなこともあり、引用した会話部分に buen culo と出てきたために上の本文がかなり曖昧な書き方になったままでした。申し訳ありません。
蛇足ですが、同じ第20シーズンの第354章に culete という単語が出てきます。Clara の再婚前の「独身さよならパーティー」で定番?の男性ストリッパーのお尻を見て “¡Ese culete! ¡Ay, ay!” と喝采される場面です。culo を避けるかのような言い方になるでしょう。culete の方が culo より口にしやすいのだと思います。というのも、第4シーズン(第67章)で当時10才のCarlos に祖母 Herminia が「尻に虫が湧く」と注意する場面で culete が使われていたことからもわかります。子どもに対して使っていい言葉ですね。逆に culo を伴う成句が出てきたら俗語を疑えと言ってもあながち間違いにならないかもしれません。
月も変わりました、HPという入れ物も曲がりなりにも整いましたのでコンテンツの充実に努めていきたいと思っていますので、おつきあいください。(2020年8月1日)
〔2021年11月14日 追記〕
以前、「米国の人気ドラマ “FRIENDS” (かなり古いですが、今でも人気があるようです)でも似たような場面のあったことを覚えています」と書きましたが、久しぶりにその場面に再会しました。 Spin The Bottle というゲームで、瓶口の先に座っている人とキスをするというものです。
〔英辞郎〕の説明は、「スピン・ザ・ボトル◆複数の人が輪になって、一人が瓶を横に寝かしてクルクルと回転させ、回転が停止した時に瓶の口の方向にいる人とキスをするゲーム。キスをされた人が次に瓶を回すことができる」です。
Rachel: (spinning the bottle) So, Spin the Bottle works like this: I spin the bottle, it lands on Gunther, so I would have to kiss Gunther. (She crawls over to where Gunther is sitting and sees the look of anticipation on Gunther’s face and decides not to kiss him.) All right. Who wants to go first?
Emily: I’ll go.
All: Yay!
– “FRIENDS” Season 4 Episode 16